納得のマンション防災対策

38:理事長代行制度

分譲マンションには理事長が存在している。そして管理規約上は
管理権限者として様々な決定権がある。
災害時も理事長が決めて実行することは基本的に管理組合として承認される。

ところが、災害発生時に理事長が在宅しているかどうかはわからない。
もし理事長がいなかった場合はどうなるのか。

閉じ込められた人を助けるために、ガラス戸やドアを壊すことは
理事長権限でできるが、理事長がいなければ躊躇してしまわないだろうか。

そんな時、理事長代行がいれば早く判断ができて人命救助ができるようになる。

理事長代行制度は理事長がいない場合に、その場にいる管理組合員が一人
または複数人で理事長代行とし理事長が戻るまで理事長の役割を担うというもの。

理事長代行が決めて実行してことは、管理組合として追認するということも
含めて規約をつくっておいたほうが良い。

他の理事や防災委員にも同じことがいえる。

理事や防災委員に災害発生時の役割を決めていないだろうか。
いつもいるとは限らないので、災害時にいない場合には
誰かが代わりを務めなければならない。

従って、防災に関わる委員はも災害発生時に担当を決めるようにする。
もちろん、事前に決めておいても構わないが、災害発生時に
改めて、その場にいる人たちで担当を決めるようすることが望ましい。



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37:防災マニュアルは役に立たないのか?

最近はマンション管理会社が立派な防災マニュアルを用意して
くれることが多くなっている。また、地方自治体がマンション
アドバイザーを派遣して防災マニュアルを作成しているところもある。
中央区などは超高層マンションの防災マニュアルを作成してくれるそうだ。

ところが、マンション防災マニュアルが住民に浸透しない、
言い換えれば、住民がマニュアルを読んでくれない、
どうすればよいか、という相談を多数受けている。

防災マニュアルがいかに立派でも、内容が詳しく書いてあっても
中身が理解できていなければ何の役にも立たない。

それでは、勉強会を開催し、最初から読み合わせをしていけば
住民に浸透して役に立つようになるのだろうか。
答えは、「ノー」だ。

マンション防災マニュアルは役に立たないものなのか。

そもそも、マンション防災マニュアルは、防災対策を検討する中で
出てきた答えを忘れないようにするための備忘録として、
また、他の人にも知らせるために文書として残すものだ。

従って、マニュアルに記載される防災対策は、想定される被害に
対しての対策となるはずである。住民一人一人が思う心配事に
対しての対策が記載されるべきである。

なのに、ほとんどの防災マニュアルは被害想定の共通認識がないまま
作成されているため、住民にとって我が事とは思えないのである。

マニュアルを読んでも自分とは関係がない内容と思えば
なかなか浸透しないこともうなずける。

役に立つ「マンション防災マニュアル」とするには、被害想定の
共通認識を行うため全住民の意見聴衆からから始める必要がある。

言い換えれば「見える化」から始めなければ、役に立つマニュアルは
作れないといえる。


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36:一枚のマンション防災マニュアル

一枚のマンション防災マニュアルとは次のようなものだ。

スマートシート20151217
前述の「マンション防災対策全体概要図」が描ければ、この
一枚のマンション防災マニュアルを作成することができる。

作成方法は、災害発生時から行う初動を時系列的に並べていくだけ。

これを大きな紙に印刷して、マンション内の見やすい所に掲示しておく。
このシートでマンションの防災対策の進捗状況が一目瞭然となる。

また、右側の黄色い部分が課題になっているので、防災訓練で何を
行うかのかは、このシートが教えてくれる。

さらに、災害が起きてしまったら、このシートの左側の行動を順番に
行っていけばよい。できないところは飛ばして構わない。

大震災時には、マンションに居る人たちで出来ることを行う
ことがそのマンションのとってベストな初動対応になる。


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35:全体概要図で防災対策がわかる

マンション防災対策の「見える化」→「ルール化」と進んでくると
対策が次々と浮かんできます。
これを1枚にまとめると「防災対策の全体概要図」が出来上がります。
M防災全体ン概要図20151213
 
「見える化」で想定された被害をどのように対応するのか?
見える化でいけんを出した方は非常に気になっていることです。

対応策は個人で対応するのか?マンション全体で対応するのか?
対応するための準備は何か?それらをまとめて全体概要図を作ります。

この作業を行うことでほとんどそのマンションの防災対策は出来上がります。

ここまで、出来たとしてもまだ課題はあります。

あとは、これをどうやってマンション居住者全員に伝えるのか?
対策の進捗状況をどのように記録するのか?
他にマニュアルがあればそれとの連携はどうするのか?
詳細なマニュアルが必要になる場合はどうするのか?
防災訓練は何をするのか?

いろいろな課題がありますが、それは次回。


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34:「見える化」の次は「ルール化」

「見える化」の次は「ルール化」です。

分譲マンションには管理規約がありますが、防災対策に
関する規約はほどんどないために、必要に応じて規約
またはルールを作る必要があります。

 「ルール化」を行っておかないと、対策を決められない
ことも あるので、「ルール化」は基本方針を決定する
フェーズでもあります。

「ルール化」の事例の主なものを列挙します。

 1)支援を希望する人が申告できる制度
 2)管理組合で食糧・飲料水の備蓄は行わない
 3)トイレの水を流さないタイミングのこと
 4)生活ゴミとトイレゴミの取り扱い
 5)学校避難所へは行かずに在宅避難すること
 6)理事長不在時に備えて理事長代行制度
 7)災害発生直後はご近所の簡易レスキュー

まずは、これだけでも検討することをお勧めします。
 「ルール化」ができれば、そのマンションの防災対策に
関する全体の概要図を 作成することができます。



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33:防災対策は「見える化」から始める

マンション防災対策は「見える化」から始めます。

「見える化」とは、現在の状況を調べて、皆で確認ができるように
することです。マンション住民が集まって話し合う作業でもあります。

次に様なことについて「見える化」します。
1)マンションの建物と設備の状況
2)マンションの立地、地盤、周辺地域の状況確認
3)マンション住民が不安に思っていること
4)マンション住民数、家族構成、防災対策状況、職業など
5)過去の修繕履歴と長期修繕計画の確認
6)避難所のこと
7)災害の種類と被害想定

これらのことがはっきりすると、想定被害とその対策、そして、
マンション特有の課題や対策などが浮かび上がります。

これらの作業を行うために、多くのマンション住民に
参加してもらう必要がありますが、他にもアンケートを行ったり
講習会を行ったりして、共通認識を深めていきます。

ここを疎かにすると、他人事の対策が出来上がってしまいます。
防災対策に詳しい人たちが集まって、「見える化」をしないで
分厚いマニュアルを作ってしまうと、住民の方には難しいマニュアルに
なってしまっているケースをたくさん見ています。

「見える化」は、マンション防災対策の中で最も重要なステップになります。


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32:自助の推進

「自助」はそれぞれの家庭で行うものとなっていますが、
十分な対策をとっている家庭は非常に少ないということが
統計的な結果としてでています。

例えば、家具転倒防止のツッパリ棒を取り付けている家庭は
過半数を超えているといわれていますが、死傷者を出さない
ためには全家庭で実施しなければならないので、まだまだの
状態と言わざるを得ません。

また、ガラス飛散防止フィルム貼付を行っている家庭は20%以下で
あるため、多くの家庭でガラス破片によるケガをしたり、飛散したガラスや
食器の破片で足の踏み場がなくなってしまうことが起きてしまいます。

このガラス飛散防止フィルムを貼付する作業は、不慣れな方には敷居が高そうです。
その敷居を低くすることは防災委員会の役目です。
ガラス飛散防止フィルムの貼付講習会をぜひ行ってください。

貼り付け方は、ネット上のyoutubeに沢山出ています。
コツさえ分かってしまえば簡単にできる作業であり、最初上手くいかなくても
次第にうまく貼れるようになることも実証済です。

自分達ではできないという家庭には、実費負担していただき、
ガラス貼付ができる助っ人を派遣して、取り付けてあげてください。

マンション全体で、ガラス飛散防止フィルムが添付されたら、マンション
内でのケガ人発生率が大幅に下がることは間違いないでしょう。

この他のことも「自助」に任せることだけでなく、アンケートなどで
状況をつかみ、防災訓練の中でやり方を教えてあげてください。
このようなやり方で、ぜひ「自助の推進」を行ってください。
このような取り組みができたら、素晴らしい「共助」になると思います。



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31:マンション防災対策の盲点

いろいろなマンション防災マニュアルをみていますが、
どこのニュアルでも抜け落ちている「盲点」があります。

マンション防災対策を練り上げて、訓練を何度も行ったとしても、
これができていなければ、「絵に描いた餅」になってしまいます。

それは、「自助」を各家に任せていることです。

食糧や飲料水の備蓄、災害時トイレの準備などは
『「自助」で準備をしましょう』と、いうだけになっていませんか。

ある保険会社の防災意識アンケートでは、食料の備蓄を
行っている家庭は20%未満という結果が出ています。
※スミセイ「わが家の防災」アンケート:
全国の男女各500名、20代から60代まで200人、合計1000名

また、私の講演やセミナーに参加してくれた方のアンケートでは、
防災意識が高い方が参加しているだけに、3日の食料備蓄は70%以上
になりますが、7日食糧備蓄は15%程度になっています。


マンション住民が食糧や飲料水の備蓄をどの程度しているのか、
災害時トイレの準備として何をしているかなど、各家庭の備えの
状況がわからない状態では、しっかりとしたマンション防災対策を
行うことはできません。

マンション全体が備蓄倉庫となり、マンションにすむ全員が在宅避難を
できる状態をつくってこそ、マンション防災対策は機能します。

従って、マンション防災対策では全居住者が「自助」を行うよう
防災委員会が率先して「自助の推進」を行うことが必要になります。

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30:マンション防災対策の目的(2)

前回、マンション防災対策の目的は次の3点であると書きました。

1)震度6弱以上の地震でもマンション内から死傷者を出さないこと
2)大地震発生直後は人命救助と初期消火ができる体制作り
3)長期の在宅避難ができる備えを行うこと

1)については前回説明しましたので、2)と3)について説明します。

2)と3)についても誰もが当然と思うでしょうが、本当にこのことを意識した
防災対策が検討されているでしょうか。

まず、2)についてですが、大地震発生直後の行動は、自分と家族の身を
守ることが最優先です。そして、火の始末を確認して、ドアを開けて、
非常時持ち出し袋を背負ってどこかに行こうとしていないでしょうか。

人命救助は、部屋の中で家具や家電の転倒・落下によって、ケガをしたり
動けなくなったりした人やエレベータ―に閉じ込められた人を捜索・救助
することです。非常時持ち出し袋を背負ったままで、捜索・救助活動はできません。

そして、初期消火についても、初期であればあるほど簡単に消すことが
できますので、建物内を巡回し火災が発生していないかを確認することが
必要になりますが、このような体制を組んでいるでしょうか。

最後の3)ですが、長期の在宅避難の備えは「自助」で行うとされています。
ですが、3日以上の備蓄をしている人は2割もいないというアンケートもあります、

マンションの全戸が長期の在宅避難ができるようにするためには、防災委員会が
中心になって「自助」の推進をおこなう必要がなります。

目的をもったマンション防災対策を検討してほしいと思います。



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29:マンション防災対策の目的は3つ

皆さんの手元にあるマンション防災マニュアルに、
マンション防災対策の目的が明記されているでしょうか。

よくあるのは、「大地震がおきてもマンション住民が協力
して被災後を乗りきるための決まり事」としているものが多く、
目的が明確になっていないマニュアルを多くみかけます。

マンション防災対策の目的は次の3点であると思っています。

1)震度6弱以上の地震でもマンション内から死傷者を出さないこと
2)大地震発生直後は人命救助と初期消火ができる体制作り
3)長期の在宅避難ができる備えを行うこと

1)は当然と思う人が多いだろうが、マンション防災対策として
このことを目的とした対策を本当に行っているだろうか。

多くの人は家の中のことまでには口出しができないと思っているようです。
ほとんどのマンションが、家具の転倒防災やガラス飛散防止フィルム貼付は
「自助」で行うようアナウンスするだけなんです。

その結果、家具の転倒防止実施は過半数が行っているとのアンケートが
ありましたが、おなじアンケートで、ガラス飛散防止フィルム添付は15%
しか行われていないのです。

このままでは、大地震の時に、家の中でケガをする人が多数発生して
多くのケガ人の対応だけで混乱することは目に見えています。

少し「おせっかい」をしてみませんか。
アンケートを行って実施状況を確認することはもちろん、取り付けたいが
自分ではできないお宅に、取り付けができる人がお邪魔して
取り付けてあげることができたら、素晴らしい「共助」になると思います。


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28:家具転倒防止等の目的は在宅避難場所の確保

28:家具転倒防止等の目的は在宅避難場所の確保


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大地震に備えて家具転倒防止器具を取り付けることが大事。
特にマンションの高層階は揺れが大きい為、絶対に必要である。

ただし、これで間違いではないが、多くの人が勘違いをしていることがある。
壁に据え付けられている家具以外は、倒れる危険性があるということだ。

実験では、家具の上に突っ張り棒をはめ込み、家具の下にふんばる君を
敷いた場合は、震度6強でもなんとか倒れずにすんだが、震度7では
どんな転倒防止器具を取り付けても家具は倒れてくる。

それなら、家具転倒防止器具の取付は何のために行うのか?
答えは二つある。

まず一つ目は、より安全な所へ移動するための時間稼ぎが目的。

従って、転倒防止器具は、異なる性能の器具を複数個取り付けると
倒れるまでの時間が稼げることになる。

二つ目は、被災後の在宅避難生活の場所を確保することが目的。

 食器棚が転倒して中の食器類が壊れて散乱すると足の踏み場がなくなる。
また、ガラス戸や照明器具などのガラスが飛散すると片付けが大変になる。

従って、ガラス飛散防止フィルムを貼付したり、食器戸棚などの観音扉を
開かないようにロックして中の食器が飛び出さないようにすることが大事になる。


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27:BOS防臭袋は災害時以外にも使える

災害時トイレの防臭対策に使用するBOS防臭袋を紹介します。

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これはBOS防臭袋が90枚入った箱入りです。

BOS防臭袋に漬物を入れてゴムで縛り、これを冷蔵庫にいれます。
一日たっても冷蔵庫の中に臭いはこもりません。

BOS防臭袋に。揚げたての唐揚げ(KFCなど)をいれて
ゴムで縛れば、電車の中に持ち込んでも全く気付かれません。

この箱入りは、Lサイズ(30cm×40cm (マチ付き))が90枚入りですが
SSからLLまでの大きさがあり、また、枚数もいろいろあります。

BOS防臭袋を、災害時トイレ対策用として紹介しましたが、
他にも、生ごみ処理、ベビー用 おむつ処理、ペット用 うんち処理
介護用おむつ処理などでの臭い対策になります。

また、避難所やマンションなどですでに携帯トイレを備蓄している場合でも
臭い漏れ対策として、携帯トイレを数個をいれることができる特大サイズが
ありますので、これを追加で備えておくことをお勧めします。

我家では、台所に1箱常備しており、生ごみ処理用として重宝しています。
普段使いができるもので、万が一の災害時にも役に立つことができます。
ぜひ使ってみてください。



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26:携帯トイレ利用実験のすすめ

在宅避難するときの必需品として携帯トイレ・簡易トイレを
実際に使ってみてほしい。使ってみないと課題がわからない。
使ってみれば、臭い漏れが大変なことがすぐにわかる。

5_4


はたして、どれだけの人が実際に使ったことがあるのだろうか。
私のセミナーや講演会の参加者に聞いたところ、実際に使った人は
百人に数名だけ。しかも「大」を試している人はさらに少ない。
千名近くに聞いてこれまでに2名しか出会ったことがない。

携帯トイレに付属されている凝固剤の効果は素晴らしい。
瞬時に「小」を固めて臭いもほとんど感じなくなるものが多い。

しかしながら、「大」に対しては即効性がないので臭い漏れは防げない。
室内で臭いが漏れてきたときには居場所がなくなる(笑)。

防災展示会などでデモをやっているが、いつも液体を凝固させている。
「大」を想定したデモは行われていない。

説明している人に、「大の場合も大丈夫ですか?」と質問すると、
決まって「大も大丈夫です」と答える。自宅でテストすると
全く大丈夫ではなかった。

ぜひ、携帯トイレの利用実験は行ってほしい。
そして、課題を共有したうえで知恵を出し合って解決していきたいと思う。



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25:携帯トイレは臭いがもれる

大地震発生時に断水でもすれば、水洗トイレは使用できなくなって
携帯トイレや簡易トイレを使用することになる。

実験をしてみた。
市販されている数種類の携帯トイレに自分の排泄物の大きいほうを
実際に入れて保管し、数日間様子を観察した。

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袋を二重にしてしっかりと口を閉じておいても、ほとんどの
携帯トイレは数時間でものすごい臭いがもれてくる。

防臭袋にいれて、毎日その状態を観察してみたが、ひどい臭気は
絶えることがない。そしてこれが、毎日増えることを考えたら。。。
やはり、臭いのもれない防臭袋を使用するしか方法はない。

展示会などで携帯トイレのデモを行っているのをみると、
ほとんどが水をジェル状に固まらせるデモばかりである。

人間の糞またはこれに匹敵するような臭いのきつい固形物を
対象にしたデモを見たことがない。

マンション管理組合で大量に購入するケースが増えているが、
実際に使用に耐えられるのかどうか実験してから購入したほうがよい。



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24:マンホールトイレはただの肥溜め?

首都直下地震に備えて、マンホールトイレが学校避難所、
公園、マンションなどいたるところに配備されてきている。

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もし、近くにマンホールトイレが設置されるとしたら、
自宅用の災害時トイレは用意しなくとも良いのだろうか?

答えは、「自宅で使う災害時トイレは必ず用意すること」。

理由は三つある。
1)マンホールトイレは不特定多数の人が使用するので
 いつでも使えるとは限らない。
2)ほとんど外に設置されるので、防犯対策の心配や
 悪天候時にも使えるかどうか気になる。
3)下水道が損傷すれば使用できない。

また、マンション敷地内へのマンホールトイレ設置は、
水源があるかどうかを確認してほしい。

トイレ使用後に水が流せない場合、マンホールトイレはただの
「肥溜め」になってしまう。

また、マンホールのふたを開けたままにするので排泄物の
厳しい臭いを常時発することになる。さらに、大量の排泄物が
たまったまま数日間放置されると下水道が詰まってしまうこともある。

マンション敷地内への設置は、慎重に判断することをお勧めする。



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番外編:震度6弱で全壊4件?

大阪北部地震における住宅被害状況がほぼ出そろった。

1府3県で、全壊4軒、半壊28軒、一部損壊16409軒となった。
震度6弱では全壊するほどの住宅への被害は少ないのか?

そうではない。次のグラフを見てほしい。

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家具や塀が倒れやすい0秒~0.5秒の地震動は、阪神淡路大震災のときと
同じ強さであることがわかる。従って、学校の塀が倒れて死者がでたり、
家の中の家具が滅茶苦茶になったところが多い。
この地震動を極短期地震動というそうだ。

しかし、家屋が倒壊しやすい1秒~2秒の地震動は非常に弱かったことがわかる。
そのために、全壊が4軒だけだった。

熊本地震の状態をみると、全壊家屋が300軒以上あったこともうなずける。

このグラフは以前から示されていたが、加速度応答スペクトルという
どう説明してよいかわからないものだっただけに
今回は非常に分かりやすい言葉を使っているので説明がしやすくなった。

今後はこのグラフをみることで家屋の被害状況が推測してほしい。



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23:在宅避難では携帯トイレは1日1人1個

今回から災害時トイレのことを取り上げる。

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前に在宅避難の期間は10日をめざそうといった。
そうすると一日に『大』1回、『小』9回の合わせて10回として
10日では一人100回分の携帯トイレが必要ということになる。

4人家族の場合は、400回分。幾ら必要なものといっても
保管場所をとるし、1個150円~200円なのでコストもばかにならない。

より実践的な方法がある。『固液分離』で対応することを提案する。
『固』とは大便(大小混在も含む)や紙などのことで、『液』とは小便のこと。

『固』の処理方法は、便袋に排泄後に防臭袋に入れて自宅保管。
行政のゴミ収集車が来るまでの間は自宅で保管すること。
ゴミ置場や道路に放置してはいけない。

『液』の処理方法は、何らかの容器に排泄し、毎日下水道に放流する。

従って、災害時トイレとして必要となる回数は、
10日間であれば一人10回で間に合うことになる。

22:備蓄をしていなければ手伝いで生き延びろ

防災対策を検討するときにいつも忘れられていることの一つに、
普段自宅では料理をせずに外食や中食に頼っている人がいる。

自宅で料理をしないために、米、野菜、乾物、缶詰、調味料などは
自宅に置いていないので、長期の在宅避難は難しいと思われる。

こんな人たちの防災対策はどうすればよいのだろうか。
実は、これだ!と言えるような対決策は思いつかない。

あえて一つ挙げるとすれば、
災害時に困る施設に出向いて率先して手伝いをしてほしい。
例えば、病院、高齢者施設、保育所、幼稚園、障碍者施設など。

災害が起きることで普段と違う仕事が増えてくるので、掃除、運搬、
人員整理など専門職以外の仕事を手伝ってほしいと思う施設は多いはずだ。

手伝いを続ければ、職員と同等の食事や寝る所が与えられる
可能性がある。寝袋を持っていければそれに越したことはない。

ただし、学校避難所に行くことはお勧めしない。
避難所は混乱するだけで、統制が取れるまで時間がかかる。
ボランティアに有効な仕事を割り振ることはできないように思う。

災害時に人手のほしい施設に行って手伝いをするという案を述べたが、
もっと良い方法を見つけなければならないと思っている。



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番外編:小学校の防災訓練に参加して思うこと

友人の勧めで横浜のある小学校の防災訓練に参加する機会を得た。
この小学校訪問は3回目。防災訓練を授業参加と一緒に行っていること、
地域の自治会の方々と保護者の方々も訓練に参加させるなど、
非常に地域コミュニティ形成を実践していると評価できる小学校である。

それだけに、さらにもう一段アップさせる取り組みを期待したい
と思い、あえて、今日の訓練について辛口のコメントしたい。

地震想定は、震度6強としていたが、緊急地震速報がなったあとに
大きな揺れが来るという想定で始まった。

ポイント1:直下型地震の震度6強は緊急地震速報がなる前に本震が来ることがある

写真1:緊急地震速報がなったため児童は机の下に潜っている
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写真2:参加している保護者も教室や廊下で体を低くして揺れに耐えていた
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緊急地震速報の後に揺れが収まったと仮定してから職員室で緊急会議。
職員室をのぞいてみた。

ポイント2:職員室で先生方がケガをしない対策の見直しが必要

写真3:先生方の机の上のパソコンは固定されていなかった。
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校庭への避難が始まった。

ポイント3:移動中に震度6弱以上の揺れがくる可能性があることに注意

写真4:校庭への移動の様子。児童たちは私語をすることもなく整然と
異動していた。その移動の様子は見事だった。

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校庭に集まって、安否確認から引き取り訓練までを行った。
あいにく雨が降ってきた。すぐに小降りになったが子供たちには気の毒だった。

ポイント4:天候によって校庭にするか体育館にするかを悩むより教室が得策

写真5:校庭で安否確認の結果を待つ児童たち。保護者たちは傘をさしている
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ポイント5:「将来自分の家を持つときに、耐震性や津波被害に
あわない場所を選ぶように学校の防災教育で教えてほしい」ことをお願いした。




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番外編:大阪北部地震のエレベーター閉じ込め

平成30年6月18日(月)午前7時58におきた大阪北部地震において
2府3県(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県)において
エレベーター閉じ込めは339件発生し、その日のうちに全員救出されたそうです。

国土交通省が随時発表している災害情報によると
第5報(6/18 15:00)では、163件の閉じ込めが発生し、25件が救出中
第6報(6/19 05:00)では、214件の閉じ込めがあったが全員救助済
第9報(6/20 12:00)では、2府3県で339件の閉じ込めが発生したが全員救助済

上記のことから、少なくとも25件は7時間以上もエレベーターの
カゴの中に閉じ込められていたことになります。

今回、エレベーターに閉じ込められた人が早く救出できたのは
停電が早く解消されたことと大いに関係があると思っています。

関西電力の発表では、大阪府で約17万軒の停電がありましたが、
発電所の被害はなく、6/18 10:43に全電送完了したそうです。

地震発生から3時間以内に送電再開されたこと、通信回線もすぐに
復旧したこと、道路事情もさほど損傷していなかったことなどが
エレベーター閉じ込め者を早く救出できたものと考えられます。

首都直下地震の場合に東京湾沿岸の火力発電所の被害状況は
どのようになるでしょうか。
人命にかかわる被害に大きく影響するように思います。


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21:エレベータ閉込者の救出訓練は重要

大阪北部地震が起きました。
被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

この地震は直下型。高速道路走行中の車が揺れ始めてから
緊急地震速報がなっていたように緊急地震速報が役に立たなかった。

エレベーターにも多数閉じ込められているようだが、
保守要員が駆け付けて順次救出されていくだろう。
すぐに救出活動が開始できる状態であって良かった。

ところが首都直下地震が発生した場合はこうはいかない。
多くのビルやマンションでエレベータが停止し、
数千人の人たちが閉じ込められることが予想されている。

○IMG_6691_1

P波感知地震管制運転装置が取り付けられていても、直下型の場合は
最寄り階に着床する前に途中でカゴが止まってしまう

マンションのエレベータに閉じ込められた場合の対応策だが、
エレベーター保守会社の保守要員が駆けつけてくれない場合はどうするのか。

マンション管理組合で閉じ込め者を救出する方法を訓練で学んでおいてほしい。

我マンションの場合は、エレベーター保守会社にお願いして、
毎年1回緊急時救出訓練を行っている。ただし、簡単に始まった
わけではなく、訓練を受けてもらえるまでには時間がかかった。

保守会社は救出時の事故を心配しているので簡単にOKはしない。
人命にかかわる状態にもかかわらず保守技術員が来れない場合に
管理組合の判断で実施するが、万が一事故がおきても管理組合の責任とし
保守会社には一切責任は問わない、という覚書も作っている。

よく、エレベーターの中に、緊急用の水や携帯トイレなどを入れた
ボックスを置いているのを見かけるが、これは首都直下地震用ではない。

首都直下地震の場合は、エレベーター保守要員が助けに来るまで、
数日から一週間かかることも覚悟しておかなければならない。

従って、エレベーター内に緊急用ボックスを置いてある場合でも、
救出訓練を行うことをお勧めする。


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20:食糧や飲料水が尽きたら疎開する

首都直下地震による被害は予想以上に長期間にわたって
停電や断水になるかもしれない。そうなると10日以上の
在宅避難に備えたとしても、在宅避難は続けられない。

こんな時は「疎開」することになる。
※「疎開」とは、被害の無い地域に避難すること。

そのためには、年賀状から拾い出したり、昔の友達を思いだしながら
SNSで旧交を温めたり、帰省時に親戚に手土産を持っていったり、
旅行先で新しい友人を作ったりしたりすることも、 立派な災害対策になる。20170823230001
ただし、面倒を見てくださいとは言いにくいので、
先方に何かあった時は我が家に来てください、といいましょう。
そして、我が身に万が一のことが起きた場合にはこれらの知人・友人を
頼って被災地を脱出しよう。


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19:管理組合で食糧・水の備蓄はしないほうが良い

マンション管理組合で食糧と飲料水を備蓄することは
大分以前から多くのマンションで行われており、
一見当然のことのように思う人が多いが実はいろいろな課題がある。

無題

①管理組合に任せることで、居住者の防災意識が希薄になる
②家族人数に合わせた備蓄は不公平(∵管理費は専有部面積割)
③備蓄量は数日分であり長期の被災生活には不足する
④高齢者、病人、幼児など特別食糧の備えは困難
⑤備蓄場所確保、在庫管理、賞味期限管理など煩わしい 
⑥災害発生後に誰が炊き出しや配布をするのか決められない

これらの課題をなかなかクリアーしそうもない。
従って、管理組合では食糧と飲料水の備蓄はしない方が良い。

そのためにそれぞれの家で家族に合った食糧や水の備蓄をしてもらうよう

18:災害時にしか使わないものは備蓄しない

ある区役所の防災窓口にはこんな備蓄品が置かれている。
一人の3日分の食糧と水だそうだ。みるからに寂しい食事になる。
この量の家族人数分を備蓄するようにといっている。
KIMG0802_1
 
首都直下地震の被害は甚大で10日間以上の在宅避難が必要になる。
1人当たりこれの3倍以上の量になり、さらに家族人数分となるので
置き場所にも困りそうだ。なによりも楽しい食事ができそうもない。

ローリングストックと称して、1週間分の箱を用意して備蓄している
人がいるが1週間では十分なはずもない。

だが、非常食や保存水を大量に買い込むことは止めたほうが良い。
場所をとるし、お金もかかる保存期限をみながら買い替えるのも面倒。
アルファ化米などは美味しいとはいえない。
そして、何を買ったのか忘れてしまう(笑)

それならばどうするのか?

食糧は「主食の備蓄」を実践することだ。
カセットコンロとポリ袋を使って鍋で湯煎してご飯やパスタができるので
普段食べている米やパスタなどの主食が保存必要量にづいたら
次の新しいものを買い足していけばよい。

これを「主食のローリングストック」と呼んでいる。
使ったら買い足すのではなく、保存必要量に近づいたら
新しいものを購入する仕組みだ。

副食は普通の家庭であれば冷蔵庫や台所などに5日分以上はある。
そこに缶詰やレトルト食品を足し込んで普段から食べていれば10日や
2週間の食事は可能になる。非常食を買わなくても大丈夫だ。

飲料水は浄水ボトルを利用することで大量の水が確保できる。
保存水の備蓄や水道水の貯水だけでは足りないので、
風呂の残り湯を浄水ボトルで飲料水に変えて利用する。
一人1日3L×4人家族×14日=168L
風呂の残り湯は180Lはあるので2週間でも大丈夫。
浄水ボトルは普段でもアウトドアなどで使い慣れておく。

従って、災害時しか使わない非常食や保存水を大量に買わなくても、
長期在宅避難時の食糧と水は確保できる。


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17:在宅避難でも救援物資はもらえる

避難所に行く理由の一つに救援物資をもらえるから、というのがある。
確かに救援物資は避難所が拠点となって配給されるが、在宅避難でも
救援物資はもらうことができる。
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ただ、救援物資が届くのはどんなに早くても1週間後である。
従って、それまでは避難所に行ってももらえるものは何もない。

発災直後からの数日間は避難所で生活するには相当の覚悟がいる。
家に住めなくなった人達が数多く避難所に集まってくる。
それだけでも相当数の人数になりそうなのに、家が無事な人も
集まってくるので避難所は大混乱となる。

1週間経過するころから、避難所に救援物資が届けられるので、
マンション住民は避難住民数を把握して避難所に行けば、
救援物資を受けることはできる。

但し、避難物資が希望にかなうものとは限らない。
賞味期限の切れたおにぎりやパンなどが大量に残っていることもある。

自宅で10日以上の在宅避難ができる備え、すわち「自助」をしておけば、

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    プロフィール

    マンション防災士

    日本防災士会の釜石徹です。東京都大田区在住。首都直下地震に備えマンションの防災・減災対策提案、マンション防災マニュアル作成のサポートを行っています。また10日以上の在宅避難ができるノウハウを提案しています。
    facebookでも情報発信しています。