納得のマンション防災対策

16:在宅避難日数は10日以上をめざす

前回まで地震の被害想定、避難所、耐震化について書いてきましたが
今回から予防対策について書いていきます。

首都直下地震が起きた場合の在宅避難は10日以上を目指します。

被害想定の中で述べたように、首都直下地震では過去の地震
災害とは桁違いに大規模な被害を受けます。

もっとも違ってくるのは東京電力の被害でしょう。

中央防災会議の報告書では、東京電力管内の電力供給は1週間で50%、
1ヵ月で全戸停電解消が目標となっていることから停電期間は相当長い
ことを覚悟しておくことが必要になります。
従って、在宅避難期間は10日以上を目指して備えることになります。


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15:耐震化しないと修繕コストが増大する

耐震化しないと大地震に何度も遭遇し修繕コストが増大します。

耐震性不十分マンションの進む道をまとめてみました。
耐震性不十分マンションの進む道

1.大地震のたびに金銭的&精神的負担が増大
 1)震度6以上の地震が起きれば建物や付属設備が損傷をうけ
   それを修理するために一時金徴収せざるを得ない
 2)震度6以上の地震は何度でもやってくるので、そのたびに
   修理費用負担があり、生活不安が解消されずに継続する
 3)大きな地震により倒壊・全壊・大規模半壊などになった場合は
   避難所生活となり建物復旧ができない場合は復興住宅待ちとなる

2.転売や相続には課題が残る
 1)売却・賃貸する場合も旧耐震基準で耐震性がなければ敬遠される
 2)区分所有者死亡で相続された場合も、売却・賃貸が不利となり、
   管理費等の滞納問題にもつながる可能性がある
 3)建て替えが理想だが、多額の資金を要するため実現性は低い

3.耐震化積立計画 で脱却する方法で耐震化を前進させる
 1)毎月耐震化積立金を徴収して、10年計画で耐震化を進めて行けば

14:耐震化が進まない理由をさぐる

東京都マンション実態調査報告書(H25年3月)によれば、
23区内のマンション棟数と旧耐震基準棟数は次の通り。

分譲:46,343棟 うち旧耐震基準:10,089棟(21.7%)
賃貸:68,454棟 うち旧耐震基準:11,662棟(17.0%)  
合計:114,797棟 うち旧耐震基準:21,751棟(19.0%) 

旧耐震基準マンションが2万棟以上も23区に存在しており、
大地震が起きた場合はこの中から倒壊する建物もあるはずだ。

耐震化が進まない理由をさぐってみる。

①耐震化するためのお金がない
②手続きが面倒で先頭に立って進める人がいない
③倒壊の可能性は極めて低いので死ぬことはないと考えている

このような理由はマンション住民や賃貸オーナーの都合であって、
その周辺地域のことを全く無視している。

倒壊するかも知れない建物が近所にあったら迷惑である。
大地震が起きたら旧耐震基準マンションで多くの死傷者がでる。
また、旧耐震基準マンションの住民が大挙して避難所に押し寄せ、
避難所は大混乱となる。

旧耐震基準マンションの耐震化が最も地区の防災力アップにつながる。
しかしながら行政は個人財産である家屋のことには口出しができないと
弱腰になっている。

従って、耐震化が進んでいない理由は国や地方自治体が本気で
耐震化を推進していないためであると言わざるを得ない。

旧耐震基準マンションに対しては耐震診断の義務化をはじめ
もっと積極的に耐震化を働きかけるべきである。


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13:旧耐震マンションの防災対策は無意味

前回まで避難所の大変さを述べてきたのでマンション住民は
避難所を頼りにするのは良策ではないと思っているだろう。

今回からマンションの耐震性について述べていく。

◆旧耐震基準について
1981年5月31日までに建築確認を行った建物を旧耐震基準といい
震度6弱以上では全壊・倒壊の可能性が高いといわれている。

旧耐震マンションには次のようなことが起きる

1)耐震性ありのマンションに比べて建物の揺れが大きくなるため
  建物の倒壊の危険性がある。倒壊しなくとも全壊の可能性が高く
  ドア枠のゆがみ、外壁落下、外階段損壊などで災後の生活が難しくなる。

2)特に上層階では家具や電気製品が転倒や大きく移動するために
  怪我人が多く出る可能性が高い

3)同時に建物内の設備損傷の可能性が高い。給水管、排水管、
  電気設備、エレベーターなどが損傷を受けやすい。

以前にマンション防災対策の目的を述べているが、
その中の次の二つのことが果たせない。
1)マンション内で死傷者を出さない取り組み
2)被災後に長期の在宅避難する備え

従って、旧耐震マンションでは防災対策は意味がないといわざるを得ない。


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12:避難所運営では3つのことが重要

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これまで避難所運営の難しさを述べてきたが
避難所をうまく運営する方法は次の三つを実践すること。
1.避難所に来る人を少なくすること
2.避難所の利用場所や生活ルールは事前に決めておくこと
3.避難所運営は避難者が主体となって行うこと

それぞれについて説明します。

1.避難所に来る人を少なくすること
(1)「電気・ガス・水道が止まって復旧の見込みがなくても
 避難所に頼ることなく在宅避難する準備を行うことが自助」を徹底させる。
 ※私のセミナー参加者に尋ねると電気・ガス・水道が止まって
  復旧の見込みがない場合でも自宅避難する準備をしている人は少ない。
  過半数の人が避難所に行きたいと思っている。
  一つの避難所に4・5千人が集まったら収拾がつかなくなる。
 
(2)避難所の収容可能人数を運用を考慮した数値を公表すること。
 各自治体が公表している収容人数は、全ても普通教室と特別教室を
 対象にしている場合が多い。 
 
(3)要援護者のお世話も避難所には専門家がいないため難しい。
 従って、要援護者は避難所へは行かずに在宅避難ができる備えが必要となる。

(4)ペットも避難所では過酷な環境に置かれる。
 ペットのことが気の毒に思うなら、一緒に在宅避難することを考えて
 そのための備えを行うことが必要になる。

(5)避難所には、食糧や飲料水はわずかしかなく、生活するには
 非常に過酷な環境であることを周知しておく必要がある。

2. 避難所の利用場所や生活ルールは事前に決めておくこと
(1)授業中に発災した場合は、体育館だけしか使用できないことを決めておく
(2)教室の中で専用室となる教室や仮設トイレの位置を予め決めておく。
(3)発災時に避難者が入る場所を住所や町会名で予め決めておく。
(4)避難所生活ルールを予め決めておく
(5) 感染症対策としての準備は事前に備えておく。

3.避難所運営は避難者が主体となって行うこと
(1)自治会・町会の役員が中心となって避難所の開設まで行い
 その後の避難所運営は避難者に任せること。
(2)避難者は「お客様」ではないことを普段から周知させること

マンション住民は避難所を頼りにはしないが、避難所の運営に
協力する場合にはこれらのことをしっかりと理解して取り組んでほしい。


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11.避難所収容人数の計算方法

避難所の収容人数はどうやって計算しているのか疑問に
思っている人も多いのではないでしょうか。
実は、自治体によってその方法が違っています。
そのために分かりにくくなっているのかもしれない。

ところが、収容人数の計算方法はすごく簡単なのです。
その計算手順を示します。

まず、利用できる体育館や教室の面積を図ります。
このとき、対象教室をどうするかで収容人数は大きく変わってしまいます。
1)普通教室と特別教室をすべて対象とする
2)普通教室だけを対象とする
3)普通教室を対象とするが、専用室として利用する教室を除く

収容可能人数=総面積×0.8÷1.65㎡ で求められます。
 0.8は通路を除く居住スペース
 1.65㎡は、一人当たりのスペースで約1畳分
または、0.8を掛けて1.65で割ると0.485 となるので
収容可能人数=総面積÷2 として計算しているところもあります。

例えば、体育館が、縦30m、横20mである場合、
 30m×20m×0.8÷1.65=290人
教室が、縦8m、横8mである場合、
 8m×8m×0.8÷1.65=31人
20教室あれば、20×31人+290人=910人となります。

これだと人口の約10%前後の人数となることから
マンション住民は避難所には行かないほうが良いことがわかります。


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10:学校避難所では10以上の専用室が必要

マンション住民が避難所に行かない方が良い理由としては
避難所の収容スペースが非常に少ないことがある。

避難所では、開設準備として教室の割当を事前に行っているところも多い。
まず、使用できない部屋の特定。 
校長室、職員室、事務室、保健室、理科実験室などは、
学校再開時にすぐに機能発揮させたいがために使用不可。

それ以外の教室がすべて避難者の収容室になるわけでもない。
次のような部屋を用意することを決めておかなければならない。

 本部室、会議室、医務室、更衣室、病人室、ケガ人室、
 乳幼児室、外国人室、車椅子利用者室、ペット室、 
 視聴覚障碍者室、身体障碍者室、精神障碍者室、
 学習室、遊戯室、談話室、喫煙室、仮設トイレ室、
 ゴミ置場室、机椅子収容室、ボランティア室、救援物資保管室 等

長期期間の避難所生活のために必要となる専用部屋ではあるが
避難所開設訓練ではここまでの専用室を決めることをしておいてほしい。

そうすると、特別教室はすべてこれらの専用室になり、普通教室も
10部屋以上は専用室になってしまう。そうなると避難者を収容する
教室の数は非常に少なくなることがわかる。


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09:避難所運営は避難者が行うことになる

確かに少し前までは、避難所運営の責任は行政にあるといわれてました。
ところが数年前から避難所運営の主体は自治会・町会になっています。
行政が自治会・町会に丸投げしたわけです。


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私の知っている自治会の婦人部の方々は、もし避難所が開設された場合に、
毎食千人以上に食事をどうやって用意したらよいか真剣に心配しています。

ところで、避難所を利用する人はどんな人でしょうか。
地震の影響で家に住めなくなった人が避難所を利用するわけですが、
もともと住んでいる家に耐震性の問題がある場合がほとんどでしょう。

なので避難所を利用する人が避難所を運営すればよいはずです。
避難所にくる人をお客様にしてはいけません。
自治会・町会の役員方は、避難所の利用方法を教えることだけを行いましょう。

前述の婦人部の方々に私はこう言いました。
「皆さんも被災者になります。自分や家族のことを優先して守ってください。
 避難所は避難する方が自主的に運営するように伝えれば良いのです。」
これを聞いた婦人部の方々は、皆さん、ほっとした様子で不安が解消したようでした。

マンション住民は住むところは大丈夫のはずです。
余裕ができたら避難所の運営を手伝っていただきたいと思います。


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08:避難所の生活はプライバシーが無い

マンション住民は避難所に行くな、という理由には避難所の環境の悪さがあります。
大地震が発生し震度6強以上の場合、その地域の避難所の
生活はプライバシーのない過酷な環境になると予想されます。

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※ある小学校防災訓練時に体育館に約8百名が集まったところ

写真のように狭い体育館に詰め込まれた状態で生活をするのです。
このような環境で起きることを想定してみます。(以下長文です)

1)収容人数超過とスペース不足
 ①収容予定人数で算出すると一人のスペースは1.65平米(約タタミ1畳)
 ②ただし、収容予定人数(1000~1500)を大幅に超える人が押し寄せる

2)仮設トイレの課題
 ①設置台数は収容予定人数75人に一台のため、待ち時間は2時間以上
 ②設置場所は屋外が多く暴風雨時は使用が困難
 ③照明、臭い、備品管理、防犯、防寒などの対策不十分
 ④車椅子で利用できる仮設トイレがあるとは限らない

3)就寝時の状況が一番過酷
 ①室内の温度・湿度は自然のままで、夏は蒸し暑く、冬は厳寒
 ②固い床に毛布一枚で枕はないのが標準
 ③周囲が静かにならないため熟睡はできないで疲労がたまる
 ④寝るスペースは1人一畳もない状態のためゆっくり休めない

4)衛生状態の不安
 ①数日後は歩けばホコリがたつほどゴミだらけになる
 ②生活スペースと仮設トイレの距離が近い場合が多い
 ③生活ゴミ、トイレゴミの管理は他人任せになるため一気に汚れる

5)感染症対策不十分
 ①嘔吐や下痢など感染症の疑いがある人の対策が取られていない
 ②学校内に隔離用の教室が用意されていない

6)要援護者対応は期待できない
 ①要援護者とは、高齢者、視聴覚・身体・精神など障碍者、病人
   乳幼児、妊婦、外国人、この地震で怪我をした人 など
 ②援護するためにはそれぞれの専門家が必要だが準備されていない

以上のような環境であれば避難所に行きたくもありません。
自宅の方が避難所よりも絶対に生活する環境は良いはずです。



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07:住民の過半数が避難所に押し寄せる

避難所最大の課題は、住民の過半数が避難所に押し寄せることである。

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 東京消防庁HPより

セミナーや展示会で多くの人に次の質問をしています。
「電気・ガス・水道が止まって復旧のメドがたたない場合どうしますか?」
この質問に過半数の人が「避難所に行く」と答えています。

東京都の場合、人口8千人~1万人に対して一つの小中学校が避難所になっています。
過半数の住民ということは、4千名以上の住民が避難所に押し寄せるのです。

大規模地震が発生すれば、電気・ガス・水道が止まり、復旧の目途が
たたないような被害を受けてしまうことは想定内のはずです。
それなのに避難所に行くという人が多いのは深刻な問題です。

大災害でも避難所をあてにしないで在宅避難をする、という覚悟を
持たせるような防災対策を普及させることが必要ではないでしょうか。



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06:マンション住民は避難所にいかずに在宅避難

前回まで「首都直下地震とその被害想定」について述べてきました。
今回から「避難所」について述べていきます。

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「避難所」について各自治体では5年ほど前から、
「大地震でも家に住める場合は避難所に行かずに在宅避難」

言い換えれば、大地震が発生しても新耐震基準の建物に住む人は
避難所には来ないで欲しいと言っています。

このように言い始めた理由として次の三つの事が考えられます。
1)避難所は住民の15%程度しか収容できない。
2)旧耐震基準建物に住む人は、住民の20%超もいる。
3)マンションは地震に強いので在宅避難できる可能性が高い

よく、情報や救援物資をもらうためには避難所にいかなければならないと
いう人がいますが、救援物資が届くのは早くても数日後です。
救援物資は在宅避難者でも配給を受けることができます。

私はセミナーや講演会でこんな質問をします。
「大地震が発生して、電気・ガス・水道が止まり、復旧の見込みが
たたない場合でも、長期の在宅避難ができる備えをしてますか?」
この質問に「はい」と答える人はごくわずかです。

避難所に行ったとしても満員すし詰め状態ですので入れてもらえませんので
どんな状態になっても在宅避難する覚悟を決めて備蓄することが必要になります。


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05:電気の復旧まで1週間以上を覚悟する

首都直下地震が発生すると首都圏の広い範囲で停電になりますが
どのくらいの日数で復旧するのでしょうか。

東京電力の火力発電所は15か所ですが、そのうち12か所が東京湾沿岸にあります。
東京湾沿岸では5か所が被害を受けてストップしてます。
※下図の△がストップした火力発電所
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東京電力ホームページより 

東日本大震災の時、茨城県の2か所の火力発電所が地震の揺れと液状化現象で
稼働停止&損傷し再稼働まで1か月以上かかりました。

このことから、首都直下地震がおきた場合には、東京湾沿岸地域は揺れと液状化現象で、
ほとんどの火力発電所が大きなダメージを受けて稼働停止する可能性が高いと思われます。

中央防災会議報告書には、東京電力管内は1週間で50%の復旧が目標とされています。
従って、停電期間は1週間以上かかることを覚悟しておくことが必要です。


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04:首都圏を襲う大規模な地震は直下型地震

ここでいう「大地震」とは、人的被害や経済的な打撃が大きい地震のことです。

2011年3月11日の東日本大震災(M9.0)や、2015年5月30日の小笠原
諸島西方沖地震(M8.1)で、首都圏は最大震度5強を記録しました。

これらの地震での損害は、死傷者は少数であり、東京湾沿岸部での液状化現象による
建物被害はありましたが、経済的な打撃は首都圏の一部に留まりました。

<都心南部直下地震の震度分布予想図>
P04
内閣府・防災情報のページより

首都圏全体が経済的に大きな打撃を受ける地震は、首都直下地震です。
都心南部直下地震の場合、最大で震度7が予想されており、
東京23区内が震源地の場合、東京都だけでなく、
神奈川県、埼玉県、千葉県の広範囲な地区で震度6弱以上となります。

この地震は、阪神淡路大震災と同様に、キラーパルスを伴う地震のため、
家屋の倒壊や鉄道の脱線転覆、車両衝突事故などによって多くの
死傷者が出るものと思われます。そして、街中至る所が廃墟となり
長期間にわたって、普通の生活ができない状況に追い込まれます。

経済的に大きな被害をもたらす地震のことを念頭において、

03:阪神淡路大震災と東日本大震災の揺れは異なる

地震による被害状況を比較すると、阪神淡路大震災では、
多くの高層ビルや木造家屋が倒壊しましたが、
東日本大震災では、震度6や7の地域でもビルの倒壊はなく
木造家屋もそれほど倒壊していません。

なぜこのような違いがでたのか?
それは、地震動の地震応答スペクトルが異なるために
建物被害に差が出たのだそうです。

次の図を見てください。
column20140907_fig2
日本地震工学会のホームページより

X軸は時間(秒)ですが、東日本大震災では、0.5秒以内に
振動のピークがきています。一方阪神淡路大震災では
1秒から1.5秒の間に振動のピークがきています。

1秒から1.5秒の振動をキラーパルスと呼び、建物に
大打撃を与える振動といわれています。

阪神淡路大震災では、このキラーパルスの影響で多くの
建物被害が出たということになります。
ちなみに熊本地震でも阪神淡路大地震と同様の波形が
現れキラーパルスが発生しました。

震度6以上の地震であっても、その振動の種類で建物の被
害状況が変わってしまうことを知っておく必要があります。


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02:震度6以上の場合は未経験の被害がでる

都心南部直下地震(M7.3)が起きると、死者2万3千人、
家屋の倒壊・焼失が約61万棟、経済被害約95兆円といわれています。

死者が2万3千人としても、東京都の人口のわずか約0.2%にすぎません。
自分はこの中には入らないと、ほとんどの方が思うと思いますが、
死なないための対策をしておくことが最も重要です。

街の中が廃墟のように変わり、多くの死傷者が出たとしても
それでも生きていたら、その廃墟の中で生き続けなければなりません。

おそらく、電気・ガス・水道はしばらくの間止まります。
通信や交通など普段何気なく受けているインフラの恩恵が全てなくなります。
誰もが経験したことがない甚大な被害が出るといわれています。

理由は東京電力の火力発電所が大被害を受けて停止するからです。
東京湾沿岸に集中している火力発電所は液状化被害を受けて、
数週間は稼働ができなくなる可能性が大きいのです。

「3日の備蓄があれば4日からは支援を受けられる」 のような
こんな甘いことを考えていたら、すぐに考えを改めましょう。

その昔、電気・ガス・水道がない時代でも人間は生きてきたのです。
災害に備えるために知恵を出し合って乗り切ることはできるはずです。
今一度、震度6以上の被害状況を考え直してみてください。


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01:首都直下地震は明日起きるかもしれない 

「納得のマンション防災対策50」を開始します。

震度6以上の首都直下地震は30年間で70%の発生率と言われています。
ですが、30年間で70%の発生率は、震度6以上の首都直下地震が
起きても起きなくても正解です。困ったものです。

23年前に起きた阪神淡路大震災にも発生率がありました。
震度6以上となる発生率は8%以下。
2年前に起きた熊本地震の発生確率も約10%でした。
従って、発生率はあてにならないということです。

それでは、大地震の発生を予測する方法はないのでしょうか。
これを見てください。内閣府・中央防災会議の報告書の一部です。
首都直下発生確率a
この図は、西暦1600年以降における大地震の記録です。
関東大震災(1923年9月)級の震度6以上の大地震は、周期が200年以上で
あるから、次の大地震発生までは今から100年以上も先と言われています。

ただ、過去におきたM8(マグニチュード8)以上の大地震発生時から
前の約100年間に、M6~M7級の地震が何度も起きている記録もあります。
この期間を活動期といいます。

そして、現在はこの活動期に入っているといわれており、M6~M7級の
地震がいつ起きてもおかしくないということになります。

もし、M6~M7級の地震が内陸で起きれば、震源地に近い場所の震度は
6以上になります。従って、私たちは震度6以上の地震に備えておかな
ければならないのです。



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    プロフィール

    マンション防災士

    日本防災士会の釜石徹です。東京都大田区在住。首都直下地震に備えマンションの防災・減災対策提案、マンション防災マニュアル作成のサポートを行っています。また10日以上の在宅避難ができるノウハウを提案しています。
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